シールド推進併用工法

工事概要

本工事は、井戸木線 新No.45の鉄塔付近から国道17号線区間に管路(洞道)ルートを新設するもので、両発進立坑(仮2立坑)から両側にスパン①567.2mと、スパン②983.9mのシールド切替型推進工法で行った。
スパン①は、仮2立坑から急曲線部手前まで推進工法、急曲線部以降は、シールド工法で行った。
スパン②は、仮2立坑からJR高崎線の手前まで推進工法、それ以降は、シールド工法で行った。

工事名井戸木線系統変更管路工事(その1)
発注者東京電力(株)
請負者奥村・大林・鉄建・日本国土開発 JV
工期平成21年12月~平成25年6月
施工場所埼玉県上尾市大字大谷本郷前原 ~ さいたま市北区
工法ハイブリッド推進 (推進シールド併用工法)
管径2200mm
土質砂層 粘土層
施工延長
(2スパン)
スパン①567.2m(推進326.1m+シールド239.9m)
スパンの後半部でR=18mの急曲線が3か所続く為、
急曲線部手前まで推進工法、
急曲線部から到達立坑までシールド工法で計画された。
スパン②983.9m(推進200.9m+シールド780.9m)
JR高崎線の踏切から土被り10m程度で管路が布設されるため、
発進立坑から線路手前まで推進工法、
線路下から到達までは、シールド工法で計画された。
工事概要図
縦断図

工事内容

  1工区 仮2→仮1 2工区 仮2→仮3
各工区延長 567m 982m
推進延長 328m 200m
シールド延長 239m 782m
平面線形 18R×3箇所 200R×1箇所
  300R×2箇所 300R×3箇所
縦断線形 -2.76%→-0.195% +0.209%→+1.000%→+0.200%
土被り 13.2m~11.1m 6.7m~11.3m
特徴 R=18mのS字カーブ JR高崎線横断
管材 NS推進管 内径2,200mm 外径2,580mm  L=1.0m
セグメント RCセグメント 内径2,200mm 外径2,500mm L=1.0m
鋼製セグメント 内径2,250mm 外径2,500mm L=1.0m
(18R区間 L=0.3m)
土質 大宮層の第一砂質土(Ds1) N値 9~65
大宮層の第一粘性土(Dc1) N値 7~40
写真-1 JR高崎線 踏切下を土被り10mで管路布設したが軌条の高低・通り共、変状がなく工事完了した。
写真-2 泥水式シールド機 面板
図-1 泥水式推進併用シールド機
写真-3 ヒューム管 推進工法部 管内部状況
写真-4 推進時の立坑下状況
写真-5 推進管とシールドセグメント接続部
写真-6 シールド工法部 セグメント状況
写真-7 シールド工時の立坑下状況
図-2 本推進時の地上設備図

主な施工手順

  1. 地上設備は、推進工のために滑材注入設備が必要である。
  2. 立坑内の設備は、推進とシールドでほぼ同様である。
  3. 仮推進完了までは、地上に後続台車を配置する。
    台車は掘進機関係で5台、流体輸送関係で1台程度である。
  4. 掘進機を分割搬入し、発進架台上に組立てる。
    基本的にシールド機である。
  5. 元押設備は通常の推進工と同様である。
  6. シールド機を推進可能にするため、推進リング・調整リングと名付けられた鋼製セグメントを組立、その後部にアダプタ管を設置する。(図-1参照)
  7. P2ポンプとバイパスバルブセットはシールド工用のものを立坑下に設置する。
    通常、推進工で使用する立坑バイパスは不要である。
  8. 鏡切り・初期推進共に通常の推進工と同様である。
  9. 今回の仮推進とは、地上に配置した後続台車と立坑下に設置したP2ポンプとバイパスバルブセットの台車の延長分で約70mである。
  10. 仮推進完了後、管内の配管配線類をすべて撤去し管清掃を行う。
  11. 立坑下に設置した、P2ポンプとバイパスバルブセットを撤去する。
    バイパスバルブセットは、後続台車として管内に入るため立坑に立坑バイパスを設置する。
  12. 管内に軌条を設置するが、この時点では推進管の中央に後続台車がくるようレールを設置する。
    これは推進管のローリング防止の目的である。
  13. 軌条設置後、後続台車を計画順に投入設置する。
    掘進機関係で5台、流体関係で3台、計8台である。
  14. 後続台車の各種、配管・配線・試運転の完了後、本推進を行う。
    一般の推進工との違いは、掘進機・元押・滑材注入等の操作が地上の管理室であること(仮推進時から)と管内に後続台車が8台も並んでいることである。
  15. 本推進完了後、シールド工へ段取り替えを行う。
    地上では滑材プラントを撤去し、シールド工で必要な配管(給水管・雑排水管)等を整備する。
    立坑下では元押設備を撤去し発進架台を嵩上げしてバッテリーロコの軌条とバキューマーを設置する。
    管内では裏込注入完了後、後続台車全体を一旦、バックさせ本線と複線(後続台車用)の軌条を設置し複線に後続台車を戻す。さらにシールド工用にトランス台車・電線台車・ホースリール台車を追加する。
    その他、給水管・雑排水管を設置する。
  16. 切羽にセグメント搬送用のIビーム・ホイスト・ローラーコンベア、裏込注入設備を設置する。
  17. 推進リングを撤去し本設のセグメント1Rを組立てる。
    調整リングとアダプタ管は置いて行くことになる。
  18. シールド工の本掘進を行う。
  19. 到達工は推進工の場合と大きく違うところは、セグメントを組みながらの掘進機押出しとなりセグメント幅・組立時間にもよるが、推進工にくらべて時間がかかる。
 1.地上設備
 ・吊設備工
 ・泥水処理プラント工
 ・注入プラント工(滑材、裏込)
   2.立坑設備
 ・発進坑口工
 ・支圧壁工
 ・発進架台工
 
 3.地上後方台車配置    4.シールド推進併用掘進機搬入据付
     
 5.元押設備工
 6.推進用セグメント、アダプタ管設置
 7.P2ポンプ、バイパス装置設置
 8.鏡切、初期推進
 9.仮推進工
 10.管内配管配線一旦撤去
 11.P2ポンプ、バイパス装置撤去
 12.管内軌条設備設置
 13.後方台車投入設置
 14.本推進工
 15. 地上
  • 滑材プラント撤去
  • 各種配管設置
  立坑下
  • 元押設備撤去
  • 発進架台嵩上げ
  • バキューマー設置
  管内
  • 推進部裏込注入工
  • 後続台車配置替
  • 後続台車追加
  • 配管整備
 16.切羽整備
 ・セグメント搬送設備
 ・裏込注入設備
 17.推進リング撤去
 18.本掘進工
 19.到達工