守口市 大枝ポンプ場耐震補強工事(その2)工事施工報告

はじめに

本工事は、「守口市下水道総合地震対策計画」の一つとして、大雨時の雨水を貯める施設の耐震向上の為、大枝ポンプ場の耐震化工事を進めています。
当社は昨年度のその1工事に引き続き、その2工事として土木工事・建築工事・電気工事の施工を行いました。
その中から、本工事の主要内容である土木工事(後施工せん断補強鉄筋工・増打ちコンクリート工)について紹介します。

工事概要

工事名大枝ポンプ場耐震補強工事(その2)
施工場所大阪府守口市松下町1番97号
発注者守口市
受注者機動建設工業株式会社
工期平成29年10月27日~平成30年3月31日
工事内容土木工事後施工せん断補強鉄筋工
 地下5階から地下2階の梁の後施工せん断補強鉄筋工
 地下1階の柱の後施工せん断補強筋工
増打ちコンクリート工
 地下5階から地下2階の壁の増打ちコンクリート工
建築工事耐震壁の施工(2カ所)
電気工事建築工事に干渉する部分の撤去、仮設、復旧
図-1 大枝ポンプ場調整池平面図(地下5階)

施工位置図

 工事場所:大阪府守口市松下町1番97号

図-2 大枝ポンプ場平面図

土木工事施工フローチャート

表-1 工事施工フローチャート

水洗い・目荒し(下部)

足場設置箇所である地下5階床版の水洗いを行い、増打ちコンクリートと既設壁の付着をとるため、打継目処理として増打ちコンクリート施工箇所をウォータージェット工法により目荒しを行いました。

足場設置

足場の組立は、アンカー削孔、鉄筋組立、型枠組立の施工ごとに要する作業空間が変わる為、各作業に応じて足場の組替えを行いました。

図-3 足場平面図
図-4 足場工 施工工程
左から  足場組立 > 目荒し、せん断補強 アンカー工施工 > 鉄筋・型枠組立 足場組替え > コン打設、脱型足場解体

水洗い・目荒し(上部)

足場設置後、下部と同様に水洗い・目荒しを行いました。

後施工せん断補強鉄筋工

後施工せん断補強鉄筋工の工法は、前年度工事と同様にRMA工法を用いて施工を行いました。

RMA工法概要説明(先端斜めカットせん断補強鉄筋について)

RMAとは、既存のRC構造物にあと施工型のせん断補強鉄筋を定着させる為に用いるカプセルタイプの無機系モルタルとそのせん断補強鉄筋の総称です。
既存RC構造物の表面からコアドリル等を用いて削孔し、その孔内に水に2~5分程度浸水させたモルタルカプセルを挿入し、その後にせん断補強鉄筋の打ち込みを行います。モルタルが硬化した後は、せん断補強鉄筋と既存構造物が一体化し、既存構造物のせん断補強鉄筋を補う事ができます。
利点として、従来はせん断補強鉄筋を削孔内に挿入し、その孔内に現場で練り混ぜたモルタル等を注入するという作業が必要でしたが、「RMA」を用いることにより、この作業を簡略化し、作業の軽減が図れます。また、モルタルの品質の安定にも繋がります。
また、「RMA」の先端斜めカットせん断補強鉄筋は、一般の鉄筋(異形棒鋼)に下図に示す様に鉄筋先端の斜めカットのみの加工を加えることにより使用でき、特別な部品等を必要としない為、現場での加工も容易な事も挙げられます。

図-5 RMA工法標準配置図
後施工せん断補強鉄筋工施工フロー(RMA工法)

鉄筋探査後、削孔墨出しを行います。

STEP
1

所定寸法まで削孔を行います。

STEP
2

孔内を清掃し、削孔長を測定します。

STEP
3

RMAカプセルを2~5分間浸漬します。

STEP
4

浸漬完了後、速やかに孔内に挿入します。

STEP
5

ハンマードリルにより補強鉄筋に打撃を加えながら所定寸法まで打込みます。

STEP
6

所定かぶり厚さを確保し左官仕上げを行います。余分なモルタルは除去します。

STEP
7
後施工せん断補強鉄筋工施工写真

増打ちコンクリート工

せん断補強筋施工完了後、地下5階から、地下2階の増打ちコンクリートの施工を行いました。
打設は各地下5階から地下2階の各階で5回に分けて打設し、計20回打設で1,347m3の打設を行いました。

図-6 増打ちコンクリート打設箇所 1回打設区分
増打ちコンクリート施工工程
コンクリート工

コンクリートを打設するにあたり、ポンプ場施設内部にミキサー車が入る事が不可能であるので、ポンプ場施設外部から配管を200m以上配置して打設を行う必要があり、いくつかの課題が発生しました。

図-7 コンクリート打設時場内平面図

コンクリート打設課題と解決策をまとめます。

配管延長が約200mあり(最長219m)あり、設計配合24-8-20Nでは配管内で閉塞する危険がありました。
これについては、コンクリートポンプ圧送組合と打合わせを密にし、発注者と協議を行い、鉄筋コンクリートの水セメント比55%以下を確保する事と合わせて、配合を27-18-20Nに変更しました。

STEP
1

配管内の残コンクリートが大量に発生する事が予想されました。
これについては、事前に配管の延長を測定し、配管内コンクリート数量を考慮して打込み体積を確認し、打込み最終はポンプ車側より打込み箇所側へエア送りをして、型枠内にコンクリートを打込み、残コンクリートの発生量を低減しました。
その結果コンクリートガラ排出量を低減する事が出来ました。

STEP
2

地下に配管を投入するマンホール付近で、レデューサーを用いて配管径を5Bから4Bへランクダウンしましたが、レデューサー付近で圧送時に閉塞がしばしば発生しました。
これについては、圧送中常時レデューサー部にハンマーによる打撃を与えて、配管内の閉塞を予防しました。

STEP
3

おわりに

本工事では、前年度施工した大枝ポンプ場耐震補強工事(その1)で施工した汚泥処理と後施工せん断補強鉄筋工に加えて、増打ちコンクリート工(コンクリート体積1,347m3)が工種追加されていました。
しかし、工期が前回と同様5ヶ月程度しかなく急速施工する必要がありました。
また、足場材・鉄筋材・型枠材等の大量の資機材を搬入・搬出する必要がありましたが、資機材供給ルートとなる作業通路を同時期に発注された別工事と共有する必要があり、作業時間に制約を受ける中での施工となりました。
その為、作業通路を供用する別工事業者と打合せを密にして、早出・残業、昼休みの活用等を行うことで、効率的に資機材の運搬を行いました。
また、資機材の運搬には、フォークリフト・台車・カニクレーンを使用し運搬時間を短縮しました。
以上のような施工を行い、協力工事会社との打ち合わせや工程調整・施工計画の検討を実施して、非常に施工期間が厳しい中で何とか工期内に工事を完了する事ができました。
関係者の皆様には、この場をお借りして感謝致します。