総推進力 F = 21936kN 管の許容耐荷力 Fr = 29635kN 支圧壁反力 R = 39300kN 元押ジャッキ有効推進力 Fme = 24500kN 以上の結果、F<Fmeとなって、計画上では元押ジャッキ能力は十分ですが、長距離であり、土質の変化等によって初期抵抗力が増大した場合の対策として、中押装置を1箇所計画しました。
元押ジャッキ設備250t×10台 中押設備100t×24台
推進力は、計画推進力より低い値で推移しました。施工計画時における最終推進力は、21936kNに対して、最終縁切り推進力が14210kNで、最終推進力は8330kNでした。これは、自動滑材充填システム(ULIS)により当初から継続的な滑材注入を実施したこと、注入滑材として地下水に希釈されにくく、地盤から受ける圧力に対しても高い強度を発揮してテールボイドを保持するアルティ−クレイと、アルティ−クレイと管外周の隙間に注入されて摩擦抵抗を著しく低減させるアルティ−Kとを併用したことが主な要因と考えられます。
曲線対応泥水式掘進機は、計画曲線を造成する折れ角の1.5倍の余裕をもたせた構造となっており、計画曲線に合った曲線トンネル孔の造成が行なえました。 掘進機に後続する推進管列は、管継手部の中央部分の上下に設置したセンプラリングから推進力が広い範囲で伝達されるとともに、掘進機が造成した曲線トンネル孔に追随するようにセンプラリングは塑性変形して、適切な計画曲線を形成しました。推力合力の作用点を推進管の中央部分で伝達できることから、曲線内側端面でのポイントタッチはなく管のひび割れや破損が発生することはありませんでした。 また、急曲線を通過する管継手部に設置した開口制限装置により、開口が局部的に集中してはらみ出すこともなく、均等に開口して正確な計画曲線を維持できました。 このため、管継手部からの地下水等の浸水はみられませんでした。
自動滑材充填システムおよび注入滑材による推進力低減の影響もあって、当初想定した区間よりも長い区間でのバッキングが発生しました。バッキング現象は約100m前後まで発生したが、事前に検討・計画したバッキング防止装置が効果的に機能し、管の後退現象に伴うトラブルもなく作業の効率化が図られました。
推進時の測量時間の短縮、省力化をするため、推進中の姿勢監視はジャイロコンパスによる方位角表示をリアルタイムに行い、掘進機および推進管の精度測量は自動測量システムを採用しました。自動測量システムは、移動する管体内の可視距離をつなぐ位置に自動追尾トータルステーションを複数箇所設置し、お互いの位置を自動計測し、これらのデータをパソコンで演算して短時間で掘進機位置を検出するシステムです。 長距離・急曲線推進である本工事では、測量時間の大幅な短縮が図られ非常に有効でした。推進の精度としては、前記した対策により右10mm、下20mmと高精度な結果を得ることができました。