シールド発進用横抗築造

本工事は神戸市建設局発注の河川改修工事(シールド工区)に附随したもので、立地条件からシールド発進坑が施工出来ないため、 横坑を築造し、横坑内からシールドマシーンの発進を行うことになり、当社は横坑築造工事を施工しました。

工事件名狐川改修工事(シールド工区)のうちの横坑築造工事
施工場所神戸市中央区熊内一丁目四
企業者神戸市建設局
実施工期平成8年8月5日~平成8年10月30日

施工概略

横坑は、H形鋼900×300を骨格とした鋼製(スチールボックス)の組立式としました。

12.071m
高さ8.854m
長さ6.734m
重量256t
横抗寸法

スチールボックスの設計、製作は、陸上運搬方法と立坑形状を考慮して、前胴部と後胴部に大別し、前胴部は底版、両側壁、上床版前後部の5分割、また後胴部は底版、両側壁、上床版の4分割とし工場で製作しました。
スチールボックス内には掘削作業を容易かつ安全に行うため作業棚を設置し、作業棚は堀削断面を左右に分け、上段、中投、下段の6分室になる構造としました。
スチールボックスの現場組立は160tクレーンと100tクレーンを使用し、立坑内で底版据付、上床版仮置、側壁据付、上床版の据付の順序で組立を行い、溶接で接続しました。
骨格鋼H-900×300の溶接は強度を左右するため磁粉及び超音波探傷検査を実施し溶接の良否を判定、管理しました。
切羽の崩壊を防止するため、鋼管杭(φ600mm)を上部と側面に施工すると共に薬液注入工による地盤改良を行ないました。
掘削は、上段、中段、下段の順で左右同時に行い、切羽掘削勾配を60度として地山の崩壊を防ぎました。残土搬出はベルトコンベアーを使用しました。
ベルトコンベアーは、ボックス底版先端と側壁に沿って設置し、立坑内土砂ピットまでの40mを全てベルコン搬送で坑外に搬出しました。
推進精度管理は、計画線に対する管理とボックスの姿勢管理を行い、修正は元押ジャッキで行いました。
推進中の路面沈下を防止するため鋼管杭とボックスとの間にスペーサーを設置しました。
推進完了後、切羽全面に隔壁(H-400、14投)を設置し鋼管杭とボックスの間隙を充填し工事を完了しました。

2 出来形成果報告スチールボックス組立寸法精度長さ、幅、高さ5mm以内
対角長24mm以内
進精度センター25mm以内
レベル10mm以内
姿勢(傾き)10mm以内
3 施工実績報告推進力最大推力560tf
稼働80日
昼夜間施工52日
延工数983人
車両台数80台
重機台数211台

最後に当工事の施工に際しては関係各位の御協力を頂き、無事故で工事を完成しました。ここで改めてお礼を申し上げまして工事報告を終ります。