一関遊水地大林水門管理橋上部工工事施工報告

はじめに

本工事は、昭和22年カスリン台風及び23年アイオン台風の洪水による大水害を契機に計画された一関遊水地事業のうち、洪水調整・中小規模洪水時の流入防止を行うための水門を整備しており、そのうちの1つである大林水門管理橋上部工の施工を行いました。

図-1 一関遊水地計画概要図( 出典:国土交通省 東北地方整備局 岩手河川国道事務所 一関遊水地事業概要 )

工事概要

工事名一関遊水地大林水門管理橋上部工工事
発注者東北地方整備局 岩手河川国道事務所
請負者機動建設工業株式会社
工期平成30年 7月24日 ~ 平成31年 3月15日
工事場所岩手県一関市中里下大林 地内
工事内容種別プレストレストコンクリート道路橋
構造形式プレテンション方式PC単純T桁橋
橋長24.800m×2連
桁長24.700m×2連
支間長24.000m×2連
有効幅員7.0m(車道)
活荷重A活荷重
斜角90°00‘00“

施工

図-2 工事施工フロー図

(出典:一関出張所 平成30年度 2019.03.07「i・report」 №412

支承工

無収縮モルタルにて沓座を構築し、ゴム支承を設置しました。

写真-4 ゴム支承据付

プレテンションT桁製作工

プレテンションT桁(AG-24 桁長24.7m 桁高1.2m 重量27.6t N=16本)は、工場製作を行いました。

写真-5 工場製作確認実施

工事用道路整備

当初は別工事にてプレテンションT桁の搬入を目的とした堤防道路を構築する予定でしたが、現況道路の路肩補強、スイッチバックによる運搬車両の進入、既存工事用道路湾曲部の路肩補強、軟弱地盤への鉄板敷設等を行えば、搬入が可能であることを発注者に提案し採用していただきました。
また、搬入車両は特車申請が必要でしたので、3カ月間掛けて許可を戴き、夜間にプレテンションT桁の搬入を行いました。

図-3 桁搬入トレーラー進入計画図

プレテンションT桁架設工(クレーン架設)

積載量225t超のポールトレーラーを8台確保しようとしましたが、東北地方では車両不足のため最大で6台/日しか確保できませんでした。
そのため、プレテンション桁の搬入は3日掛けて行い、主桁架設も3日間で実施しました。
桁架設時、強風による荷振れ等がありましたが、風が収まるのを待ちながら施工することにより、無事に架設を終えることが出来ました。

(出典:一関出張所 平成30年度 2019.03.07「i・report」 №412

桁下足場・現場塗装工

桁下足場は、デッキスペースの広い高所作業車を使用することにより、墜落・落下災害防止に努めて作業を進めました。

耐久性向上のために現場塗装工を実施し、塗装は橋梁足場を利用して塗装を行い、温湿度を測定して品質管理を行いました。

写真-14 現場塗装工

床版横組工

足場組立完了後、床版横組型枠鉄筋を組み立て、コンクリート(30-12-20N膨張材添加)を打設しました。
1月の施工のため、コンクリート表面を養生マット設置後、外気と接触しないようにエアマットとブルーシートで覆い、桁下にジェットファーネス及び練炭コンロを設置して給熱養生を行い、品質確保に努めました。
地覆コンクリートも冬期期間施工であったため、同様にエアマット・ブルーシートで覆い、給熱養生を行いました。
床版横組コンクリート強度発現後横締め緊張、PCグラウト作業を行いました。
PCグラウトは、使用する水を温め、床版下面から給熱養生することにより、練り上がり温度管理と、凍結防止を行いました。

排水装置

排水装置を設置するために、桁フランジに切欠きを設け、設置しました。

地覆工

床版横組工完了後、鉄筋・型枠を組み立て、コンクリート(24-12-20BB膨張材添加)打設を行いました。

伸縮装置工

伸縮装置用鉄筋を下部構造物に設置し、伸縮装置を据付、コンクリートを打設しました。

添架物取付・橋梁用高欄・防止柵工

おわりに

発注者である東北地方整備局岩手河川国道事務所、とりわけ一関出張所の皆様、協力業者様、資機材供給業者様の協力の御蔭をもちまして無事に工事を完了出来ましたことをこの場をお借りしまして感謝申し上げます。

出典

国土交通省 東北地方整備局 岩手河川国道事務所 一関遊水地事業概要

一関出張所 平成30年度 i・report

一関出張所 平成30年度 2019.03.07「i・report」 №412