機動建設工業グループ1000基目のタンク施工 自由支承構造タンクの施工報告(北新配水池築造工事)

はじめに

北新配水池は、長岡京市上水道として昭和48年に供用が開始され、以降40年余りが経過しており、貯水池施設の老朽化による問題や水運用の合理化対策などの課題がありました。
本工事は、これらを解決するとともに、給水の安定・安全の確保、さらには、万一の災害時に対する給水拠点となることを目的として配水池を築造することとなり、構造は耐震性が担保された場所打ちPC円形タンクの*自由支承構造が採用されました。
本施設の完成後は、既設配水池(平成4年)2,000m3と今回築造する配水池(平成26年)4,000m3の合計6,000m3となり、約15,000戸、日量12,000m3を供給することが可能となります。
機動建設工業株式会社は昭和35年に米国プレロード社と提携し、昭和46年にはプレキャストパネル方式による独自のPCパネタンクの開発を行っており、全国でタンクを築造してまいりましたが、この配水池は機動建設工業グループとして1,000基目のタンク施工となりました。

自由支承構造とは、
床版と壁体の間の支承部で、地震時における水平力や鉛直力等に対して減衰効果や抵抗効果を効率よく発揮できるもので、構造物の床版と壁体との縁を切り、柔構造として構造物に変形能力を与え、小さな破壊力しか作用させない構造物となる。
特にタンク内に水を貯留している構造物では、地震時に貯留している水が動水圧となって作用するために、有効な耐震構造となる。

工事概要

工事名(仮)北新配水池築造工事
所在地長岡京市井ノ内地内
工事概要配水池築造工事
基礎形式直接基礎(地盤改良)
配水池構造形式場所打ちPC円形タンク
支承形式自由支承構造*
配水池有効容量V=4,000m3
配水池有効水深H=9.6m (H.W.L +90.10 L.W.L +80.50)
配水池内径D=23.1m
緊急遮断弁室築造工事
場内配管工事
場外配管工事
場内整備工事(擁壁工、他)
電気計装工事(電線管類布設 1式)
写真-1 着工前状況(奥に既設配水池)

施工内容

配水池築造工事

基礎工

配水池の基礎は、現状地盤が軟質であることにより地盤改良を実施して直接基礎としています。

底版工
側壁工

側壁コンクリートの打設は、壁高が9.9mと高いため、リフト高さ1.8mを5リフト、0.9mを1リフトの合計6リフトに分割して実施しました。
側壁コンクリートの打設時期が冬期となったため、各リフト打設時には、タンク内部にジェットヒーターを4台設置し、外側は足場をシートで囲んで打設後の保温養生を行って品質確保に努めました。

屋根工

コンクリート製ドームを構築しました。

防水・塗装工

内面防食施工時においては、タンク内部の湿度調整が課題となり、施工時には乾燥した空気をタンク内部に送込み適切な環境条件下で施工しました。

場内整備工

外部化粧擁壁工

配水池場内外境界は、当初既設鋼矢板の表面にコンクリート2次製品による化粧パネルを刷り付けた擁壁工にて施工する計画でしたが既設鋼矢板の現地測量結果と工程調整を考慮して、化粧型枠(発泡スチロール)を用いた場所打ち工法に変更しました。

L型擁壁工

L型擁壁は、配水池場内を二分する様に設置され、計画造成高の高低差として3.3mを有する擁壁です。
場内の掘削残土は埋め戻し土として流用するために、場内に仮置きする必要がありましたが、仮置き場所が狭いため、擁壁を2分割で施工して残土置場面積を確保しました。
また、残土埋め戻しを早期に行うために、コンクリート強度を24N/mm2から30N/mm2に変更して強度発現期間の短縮を図りました。

おわりに

本工事は、配水池築造工事のみならず、緊急遮断弁室建築工事や場内・場外配管工事ならびに場内整備工事と多岐にわたり、工事を進めるうえで課題も多々ありました。
しかし、発注者との打合せや工程調整・施工計画の検討を実施することにより、無事故無災害で完了することが出来ました。
最後に本工事においてご指導頂いた発注者および各協力業者に感謝したします。