φ800mmアルティミット推進工法

工事概要

工事名中筋古新汚水幹線工事 (第2工区)
工事場所高砂市竜山一丁目地内
企業者高砂市下水道部

工事内容

立抗築造工1ヵ所
2号マンホール設置工1ヵ所
薬液注入工1式
φ800mm推進工L=421.4m

問題点と対策

施工前に考えられた問題点とその対策は次の通りです。

最大レキ径の問題

隣の工区で最大レキ径300×300のレキが多く点在していると役所の方より聞いており、既存泥水機の面板の開口率では最大取込みレキ径が200×150のため、面板の開口率を最大限に改造し、最大取込みレキ径250×200としました。

φ800mmの内空断面の狭さの問題

当初の流体計画は4インチで、中間(中継)ポンプ7.5kwを3台使用する計画結果が出ました。
スペースの問題で中継ポンプの設置箇所に作業筒を計画していましたが、7.5kwの横型の最小のポンプを選定することにより作業筒を使用しなくても人間の出入及び測量等に支障がないと判断しました。
ただし、4インチの送排泥管各1本、換気用配管1本、計3本の配管及びキャプタイヤー、照明等が内径800mmの中に配置された状態では、人間の出入及び測量等に支障があるため、4インチを3インチの流体設備に変更し施工しました。

拡幅掘削に対する地盤のゆるみ及びゆるみに起因する推力増加

拡幅掘削に対する地山の保持及び推進性確保のために自動滑材装置で1次/2液注入、2次/1液注入の計画を行いましたが施工時、1次注入後ある程度の推力の増大があったことと本工事の土質では、1次注入及び2次注入を行った場合の効果に疑問があったため、現場の土質(排土)より判断し(不透水層での1液注入により拡幅掘削部の充填を行えば浮力等により地山のゆるみが生じなく推力の増大がない)、1液注入の計画の1.5倍の注入量で施工し50tf未満の総推力で到達しました。

長距離に於ける光学測量の誤差問題

管内測量と抗外測量は距離に比例して誤差が大きく生じるため(温度、湿度、換気、照明、基線距離)液圧計及びジャイロを使用し、光学測量と比較検討しながら施工しました。

施工を完了して

アルティミット工法及びφ800m推進距離L=421.4mもある長距離カーブ推進を施工するのは今回初めてのことで、特に推力及び測量等に留意し施工しました。
設計図書の管路部の土質データーは、シルト及び粘土、砂質シルト、礫混じり粘土、礫混じりシルトの互層であり推進時の排土もボーリングデーター通りでした。
隣の工区では、当社が乗り込んだ時に管頂部分からの落石と思われる障害物にあたり中間ピットを掘り転石の撤去を行っていました。
その様な地形の場所で障害物になる様な石に遭遇せずに無事に貫通出来たのは幸いの一言でしたが、施工前及び施工中に、推進工事部はじめたくさんの方々の協力のたまものと思います。
ここにお礼申しあげます。